近年のWordpressのWebサイト制作方法は大きく変わろうとしています。
これまでの制作方法も、特に日本ではまだまだしばらくは存続するかと思いますが、Wordpressがそういう方向に向かっている以上は、方向性を理解しておく必要はありますし、新しい制作方法にいち早く慣れておくことで、制作方法の変更が世の中に受け入れられてきた際に臨機応変に対応することができます。
まずはこれらの制作方法の違いから・・・
これまでの制作方法:クラシックテーマ
俗にいう「オリジナルテーマ」での制作です。まずデザインカンプを作りこみ、HTMLやCSSでのモックアップ制作を経て、PHPを使ってWordpressに落とし込むという工程です。PHPで作るテーマをクラシックテーマと言います。
- クライアントの細かい要望にこたえつつ自由に制作できる
- クライアントの行動を制限し、サイトの崩れを防げる
- サイトの規模によっては制作工数が大きくかかる
- 数多あるブロックへの対応が大変
- PHPの習得などが必要になる
- WPのアップデートに対応できなくなることがある
これからの制作方法:ブロックテーマでのフルサイト編集
使うかどうかは別として、これからのためにしっかり押さえておきたい制作方法です。
2018年、従前のクラシックエディターに変わってブロックエディターが登場しました(Wordpress5.0)。
ブロックエディターは、固定ページや投稿内の要素(文章の段落、画像など)を「ブロック」として扱うエディターですが、これをさらに推し進めて、ヘッダーやフッターなどのサイト内のあらゆる要素をブロックエディターで編集可能にしたテーマを「ブロックテーマ」と言います。2022年に登場しました(Wordpress5.9)。
この「サイト内のあらゆる要素をブロックで編集」することをフルサイト編集(Full Site Editing: FSE)といいます。フルサイト編集は、ブロックテーマの導入が必要です。
ブロックテーマは自分で作ることもできますが、どちらかというと既製のテーマとブロックプラグインをうまく活用して制作します。※ちなみに、ブロックテーマの自作にはPHPは不要です。
こちらは、これまでとは違うワークフローが必要になってきます。従来の、デザインカンプでクライアントチェック→HTML・CSSのモックアップでのチェック→本制作という流れを取ることができないため、その点クライアントの理解を得る必要がありますし、デザイナー自身もブロックテーマの扱いに慣れていかなければいけません。
- ノーコーディング・ローコーディングで制作ができる
- 仕上がりをリアルタイムで確認しながら作業できる
- 制作工数を大幅に削減できる
- WordPressやテーマ、プラグインでできることに依存してしまう
- クライアントの細かい要望に応えることができない
- 何ができて何ができないかの知識が必要
- クライアントの操作ミスによってサイトが崩れてしまうことがある→教育が必要